2020年5月7日

島津製作所,「新型コロナウイルス検出試薬キット」を発売

アーステック
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島津製作所は,かねてより開発を進めていた「新型コロナウイルス検出試薬キット」を発売した。

現状の遺伝子増幅法(PCR法)による新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検出では,鼻咽頭拭い液などの試料(検体)からRNAを抽出して精製する煩雑な作業が必要で,多数の試料を迅速に検査する際の妨げにとなっていた。同キットの使用によってRNAの抽出・精製工程が省けるため,検査に要する人手を大幅に削減でき,かつ2時間以上かかっていたPCR検査の全工程を従来の半分である約1時間に短縮することができる。96検体用PCR装置を用いて,96検体を検査した場合でも1時間半以内で行える。手作業を行わずに済むため,人為的なミスの防止にもつながる。

同キットは,同社独自のAmpdirect技術をベースに国立感染症研究所のマニュアルに沿って開発。同技術は「生体試料に含まれるたんぱく質や多糖類などのPCR阻害物質の作用を抑制できるため,DNAやRNAを抽出・精製することなく,生体試料をPCRの反応液に直接添加できる」というもの。当面は国内のみの販売となるが,2020年5月以降の海外輸出も視野に入れて準備を進めている。(’20 5/7)

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