NTNは,前輪用ハブベアリングに転舵角度を調整する機構を組み合わせたステアリング補助機能付ハブベアリング「sHUB」を,後輪用に改良した「Ra‐sHUB(ラスハブ)」を開発した。
現在,市場にある後輪転舵システムは,適用することにより,ホイールベースが長い大型車両においても最小回転半径を小さくするとともに,走行安定性を高め,安全な走行を可能にする。しかし,既存の後輪操舵システムは大型な上,一部の懸架装置のみに適用が限定されているほか,構造上大きな転舵角をとることが困難とされている。
同製品は小型で,後輪の懸架装置の種類を選ばず,従来のハブベアリングと同様にさまざまな車両への搭載が可能となる。従来,リンク機構が無い懸架装置で後輪転舵するためには,大掛かりな車両の設計変更が必要だったが,同製品は比較的容易に搭載できる。あらゆる懸架装置の車両において後輪転舵を実現すると共に,車両の情報をもとにタイヤの転舵角度を左右別々に制御することで,車両のコーナリング性能や高速直進時の安定性の向上,燃費改善にも貢献する。(’21 7/21)