日本トライボロジー学会(JAST)は2026年9月9日(水)~11日(金)の3日間,「トライボロジー会議2026 秋 名古屋」(実行委員長:宇佐美 初彦 氏・名城大学)を名城大学 天白キャンパス(共通講義棟北。名古屋市天白区)で開催した。東海地区での開催は2018年伊勢大会以来8年ぶりであり,同大学での開催は1993年,2008年に続き3度目となった。
同会議では,一般講演に加えて「学生・若手ポスターセッション」,「自動車に関わる最新のトライボロジー技術」「スポーツにおけるトライボロジー」「摩擦下における白層形成に関する研究動向」「ヤングトライボロジストシンポジウム」の5つのシンポジウムセッションが組まれ,全体で約270件の講演が行われた(写真1)。研究発表会では現象・理論,潤滑剤,摩擦材料,摩擦,摩耗,シミュレーション,バイオトライボロジー,加工・製造技術,流体潤滑,トライボケミストリー,メンテナンス,機械要素,マイクロ・ナノメカニズム,表面処理・コーティング,境界潤滑,分析・評価・試験方法,表面・接触など多岐にわたる最先端の研究成果が発表され,連日活発な討論が繰り広げられた。
中でも若手研究者や学生を対象に新たに企画・導入された「学生・若手ポスターセッション」が2日間にわたりランチョンセミナー後1時間の枠で設けられた(写真2,3)。会場では若手研究者や学生が自らの研究成果を熱心に説明し,第一線の研究者や技術者と密な議論を交わす姿が随所で見られ,会場全体が熱気に包まれた。
また,講義会場と同一フロア(1階)に配置された企業展示エリアには42社が出展した。会場内には水素エンジン車やMotoGPマシンの実車展示のほか,VR空間でトライボロジーの法則を体験・学習できる体験企画なども併設され,多くの参加者で賑わいを見せた。
2日目午後の特別講演では,海洋研究開発機構 高知コア研究所 上席研究員の伊藤 元雄 氏が「小惑星リュウグウ試料のナノ解析プラットフォーム:大気非曝露キュレーションから高度分析への挑戦」と題し,宇宙から回収された微小試料の超微細分析技術と太陽系の起源に迫る最新の成果について講演を行った(写真4)。
その後懇親会が行われた。実行委員長の宇佐美 氏(写真5)は,「いわゆる“名古屋めし”に加え,地元知多の日本酒もご用意いたしました。愛知の酒は木曽三川に代表されるように水の美味しい地域であり,実は隠れた酒処でもあります。種々の名古屋めしとともにぜひ心ゆくまでご堪能ください」と歓迎の挨拶を述べた。
続いて挨拶に立った日本トライボロジー学会会長の佐々木 信也 氏(東京理科大学,写真6)は,「創立70周年を経て71年目という新たな一歩を踏み出しました。今回から導入したポスターセッションでは,学生や若手研究者の方々が活発に議論されている姿を拝見し,大変喜ばしく思っております。学会に期待される大きな役割の一つは『人脈作り』であり,学術的な議論はもちろんのこと,こうした懇親会の場を通じて親睦を深めていただくことが重要です。宇佐美 実行委員長をはじめとする実行委員の皆様がこだわり抜いた美味しいお食事とお酒を楽しみながら,ぜひ交流を深めてください」と語り,参加者同士の親睦を呼びかけた。
会期中,企業展示・製品展示会場(写真7)では42社が出展,パネルやカタログなどによる各種PRが行われた。昼食を食べながらのランチョンセミナーでは,三洋貿易,パーカー熱処理工業,ブルカージャパン,SUPWAT,デュポンジャパン,ニッペコ,計測エンジニアリングシステム,Rtec-Instruments,東陽テクニカ,NOKの計10社が,企業紹介や製品紹介を行った。
「トライボロジー会議2027 春 東京」は2027年3月3日(水)~5日(金)の3日間,東京理科大学 葛飾キャンパス(東京都葛飾区)で,「10th International Tribology Conference Himeji 2027」は2027年9月19日(日)~24(金)の6日間,アクリエひめじ(兵庫県姫路市)で,「トライボロジー会議2028 秋 富山」は2028年9月12日(火)~16日(土)の5日間(学術講演会は,13日~15日),富山県立大学 射水キャンパス(富山県射水市)で,それぞれ開催される予定。(’26 9/30)













