2023年3月1日

アズビル,MEMS加工技術でデポ対策を強化したサファイア隔膜真空計を発売開始

アーステック

アズビルは,MEMS(Micro Electro Mechanical Systems。微小な電気要素と機械要素を1つのチップに組み込んだ,センサをはじめとする各種デバイス/システム)加工技術でデポ(デポジション,堆積。半導体製造工程では薄膜を生成する成膜工程)対策を強化した,サファイア隔膜真空計 形 V8を販売開始した。

半導体プロセスでは,使用されるガスの種類が増加しており,プロセスガスの種類によっては,この工程で使用する真空計のセンサダイヤフラム上に膜が形成されてしまう,デポと呼ばれる現象が発生することがあり,ゼロ点がシフトする現象が多く確認されている。

同製品では,センサ構造・通路などの全面的な見直しを行った。MEMS技術を用いてセンサ表面を凸凹に加工し,膜の付着を極力分断する凸凹センサの開発や,従来製品のフラットセンサに対しても応力のバランスの改良を施し,センサダイヤフラムの表面をたわみにくくするなどの対策の結果,デポによるゼロ点シフト量は,同社従来製品であるサファイア隔膜真空計 形 SPGとの比較で1/10と大幅に改善した。

また,新たに250℃の高温まで使用可能な分離型をラインアップに追加し,成膜工程で使用されるALD(Atomic Layer Deposition。原子層堆積技術を用いた,真空を利用した成膜技術)装置において,プロセスガスの変更に伴う高温環境での使用にも対応できるように改良した。(’23 3/1)

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