三洋化成工業は,高い熱伝導性と流動性を両立した熱伝導性材料(Thermal Interface Material:TIM)として,絶縁性ウレタン放熱ギャップフィラーを開発した。
TIMにはシートやグリースのほか,硬化型の放熱ギャップフィラーがあり,中でも,自動実装を導入しやすく,自由な設計を可能にする放熱ギャップフィラーの需要が近年拡大している。しかし,放熱ギャップフィラー中の熱伝導性フィラーの量を多くするほど熱伝導性が高くなる一方で,粘度が高くなり,流動性が悪くなってしまうという課題があった。粘度が高いと扱いづらくなるだけでなく,表面の凹凸に追従できず,放熱効率が落ちてしまうため,高熱伝導性と高流動性(低粘度)の両立が求められていた中,同社は,独自の界面制御技術と長年培ったウレタン樹脂物性の制御技術を組み合わせてこれらを両立させ,絶縁性ウレタン放熱ギャップフィラーを設計・開発した。
同製品は,二液混合により室温で硬化するウレタン系の熱伝導性材料で,微細な凹凸表面にも追従し,効率よく熱を伝えることができるため,小型化,高性能化,高機能化が進む電子機器の熱対策に好適である。(’22 9/21)