2022年8月24日

ジェイテクト,特殊環境用軸受が素粒子「ミュオン」の生成に貢献

ジェイテクトの特殊環境用軸受「EXSEV®-WS」が,大強度陽子加速器施設(J-PARC)において,高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所が開発するミュオン回転標的に採用されている。

ミュオンとは,電子と同じような性質を持ちながら約200倍の質量を持つ素粒子で,透過性の高さから,火山やピラミッド,原子炉などの透視に成功するなど,ミュオン透視技術は大きな注目を集めている。J-PARCにおいて,加速した陽子ビームを黒鉛製のミュオン回転標的に照射することでミュオンを生成し,物質生命科学や基礎物理学に関わる研究に活用されている。

しかし,ミュオン回転標的におけるミュオンの生成は高温・真空・高放射線場という過酷な環境下で行われるため,軸受が一年以内に破損するという問題があった。そこで,2014年,同軸受がJ-PARCに採用され,現在に至るまで長期に渡り,ミュオン回転標的の安定的な稼働に貢献している。

同軸受は,耐荷重性に優れており,高温・真空環境下にも適している。保持器を用いず,二硫化タングステン系自己潤滑複合材のセパレータによって玉を等間隔に保持している。セパレータに含有された二硫化タングステンは耐熱350°Cと耐熱性が高く,優れた潤滑寿命を有する。(’22 8/24)

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