NTNは,軸受内部の設計および構成部品の最適化により,外輪回転で1分間に20,000回転まで対応可能なプーリ用軸受を開発した。
同製品は,保持器とシールを回転遠心力に対応する設計にしたことで,高速回転時のシールリップ部の発熱や,保持器の変形を抑制し,同社従来品比約1.3倍となる1分間に20,000回転まで対応が可能となった。また,グリースも低温特性に優れた仕様とすることで,低温時でのグリース硬化を防ぎ,軸受の外輪とプーリが振動する冷時異音の発生を抑える。さらに,軸受の破損原因の1つである脆性はく離に対し,破損の進行を抑制するグリース添加剤の採用や,軸受軌道輪の熱処理の工夫により,低温特性を向上しながら耐脆性はく離特性を維持している。シール形状やグリース基油,軸受の内部諸元を最適化することで,シールにかかるトルクとグリースの撹拌抵抗を抑え,回転トルクも同社従来品比10%低減を実現した。
自動車エンジンの補機ベルトに用いられるプーリ用軸受は,近年のダウンサイジング技術によるエンジンの小型化やISG搭載車の増加などによって,エンジン補機類のレイアウトが複雑化し,使用されるベルトおよびプーリ用軸受の設置レイアウトの制限が大きくなっている。プーリ径を小さくすれば設置レイアウトの幅を広げられるが,プーリ径を小さくすると,プーリ用軸受には高速回転性能が求められる。また,自動車の快適性や信頼性向上を目的に,プーリ用軸受には冷時異音や低トルク化に対するユーザーニーズが高まっており,さらなる高機能化も求められている。(’17 6/7)
アマダ,11/21から各種セミナーを開催
アマダは,2024年11月21日からアマダ・グローバルイノベーションセンター(AGIC,神奈川県伊勢原市)にて各種セミナーを開催する。