新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は,「グリーンイノベーション基金事業/CO₂等を用いた燃料製造技術開発プロジェクト」に係る公募を実施,8件の提案について審査を行い,実施予定先を発表した。
同事業では,カーボンリサイクル燃料の導入と社会実装に向けて,合成燃料や持続可能な航空燃料(SAF),合成メタン,グリーンLPGの4種類の燃料の技術開発を実施する。研究開発項目と採択テーマ,実施予定先,事業期間は以下のとおり。
○液体燃料(輸送用燃料)
(i)合成燃料
【研究開発項目 1-1】液体燃料収率の向上に係る技術開発
採択テーマ:「CO₂からの合成反応を用いた高効率な液体燃料製造技術の開発」
実施予定先:ENEOS
事業期間:2022~2028年度までの最大7年間
【研究開発項目 1-2】燃料利用技術の向上に係る技術開発
採択テーマ:「乗用車および重量車の合成燃料利用効率の向上とその背反事象の改善に関する技術開発」
実施予定先:自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)
事業期間:2022~2027年度までの最大6年間
(ii)持続可能な航空燃料(SAF)
【研究開発項目 2】持続可能な航空燃料(SAF)製造に係る技術開発
採択テーマ:「最先端のATJ(Alcohol to Jet)プロセス技術(※1)を用いたATJ実証設備の開発と展開」
実施予定先:出光興産
事業期間:2022~2026年度までの最大5年間
○気体燃料(産業用・家庭用)
(iii)合成メタン
【研究開発項目 3】合成メタン製造に係る革新的技術開発
採択テーマ:「SOEC(※2)メタネーション技術革新事業」
実施予定先:大阪ガス,産業技術総合研究所
採択テーマ:「低温プロセスによる革新的メタン製造技術開発」
実施予定先:東京ガス,IHI,宇宙航空研究開発機構(JAXA)
事業期間:2022~2030年度までの最大9年間
(iv)グリーンLPG
【研究開発項目 4】化石燃料によらないグリーンなLPガス合成技術の開発
採択テーマ:「革新的触媒・プロセスによるグリーンLPガスの合成技術の開発・実証」
実施予定先:古河電気工業
事業期間:2022~2030年度までの最大9年間
※1 ATJ(Alcohol to Jet)プロセス技術:エタノールを触媒などを用いてSAFに改質するプロセス技術。
※2 SOEC:固体酸化物形電解セル(Solid Oxide Electrolysis Cell)。固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)の逆機能セル。 (’22 4/27)