日本精工(NSK)は,耐摩耗性を向上させた風力発電機主軸用高信頼性自動調心ころ軸受を開発,グローバルで販売を開始した。
同製品は,(1)長寿命材料「Super-TF」の採用,(2)高硬度被膜「DLC被膜」の採用,(3)高負荷容量化を実現する「新形式保持器(ECAタイプ)」の開発,の3つの対策技術を適用することで優れた耐摩耗性を有し,標準品に対して軌道面の摩耗量を1/10以下に低減。風力発電機主軸用自動調心ころ軸受の主な損傷形態である,軌道面の摩耗を低減し,軸受の耐久性を大幅に向上することで,風力発電機のメンテナンス頻度低減や部品交換に伴うダウンタイム(稼働停止期間)の削減が可能となり,安定稼働に貢献する。
同社ではこれまで,上記3つの対策技術のうち,対策技術(1),(2)を適用した製品を販売してきたが,2024年6月に対策技術(3)を適用した製品を新たに開発,このほど3つの対策技術をすべて適用した製品を販売する体制が整った。同製品はすでに,北米の風力発電事業者での採用が決定している。
同社では今後,同製品と併せて状態監視ソリューションをユーザーに提案し,風力発電機の補修市場向けビジネスを拡大する。同社は,「中期経営計画2026」で,アフターマーケットビジネスの売上高を2021年度比+250億円の目標を掲げている。(’24 12/25)