出光興産とLOPSは,持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel:SAF)の原料調達に関する共同検討を実施することに合意し,基本合意書を締結した。
出光興産は,2030年までに本邦エアラインによる燃料使用量の10%をSAFに置き換えるという日本政府および航空業界の目標実現に向け,年間50万kLのSAF国内生産体制の構築に取り組んでおり,2026年度から供給開始予定の千葉事業所でのATJ技術(Alcohol to Jet。エタノールからSAFを製造する技術・プロセスで,SAFの国際規格「ASTM D7566 Annex5」として認証されている)による実証に加え,2020年代後半の供給開始を目指し,HEFA技術(Hydroprocessed Esters and Fatty Acids。廃食用油などを水素化処理するSAF製造方法)も対象に2号機以降の展開を検討している。
LOPSは,2007年に設立された油脂専門商社で,生産者との友好的かつ強固なパートナーシップを背景に様々な用途に油脂原料を供給しており,廃食用油の輸出では50%以上のシェアを持つ。
両社は今後,国産SAFの社会実装に向けて,廃食用油などのSAF原料を国内各地から安定的に調達する体制を2020年代後半までに構築することを目指す。(’23 9/27)