ENEOSは,サントリーホールディングスおよび三菱商事と,バイオパラキシレン(バイオPX)を原料としたサステナブルPET樹脂のサプライチェーン構築について合意した。
これまで国内外において,ペットボトルの原料であるPET樹脂については,主原料の約30%を占めるエチレングリコールのバイオ化のみが進められており,パラキシレン(PX)を原料とする残り約70%の高純度テレフタル酸(PTA)のバイオ化が課題とされてきた。同サプライチェーンにおいて,ENEOS水島製油所で使用済み食用油などの未利用資源を用いたバイオマス原料から,マスバランス方式(原料から製品への流通・加工工程において,バイオマス原料等の特性を持った原料がそうでない原料と混合された場合に,その特性を持った原料の投入量に応じて製品の一部に対してその特性を割り当てる手法)により,商業規模で世界初となるバイオPXを製造することでPTAのバイオ化を実現し,PET樹脂の課題を解決する。
ENEOSは,2023年内にペットボトル約3500万本に相当するバイオPXを製造する予定で,2024年からサントリーのサステナブルペットボトル原料として活用される。
また,同取り組みでは,PX製造1t当たり,化石資源由来のPX製造時には0.74tのCO₂排出に対し,バイオマス資源由来の原料にすることで,植物等が生育段階においてCO₂を吸収することから,化石資源由来PX製造時と比較して2.46tのCO₂削減に貢献できる見込み。
なお,バイオマス原料は,NESTE Corporationが生産するバイオマスナフサを利用し,三菱商事がバイオPXからPET樹脂製造までのサプライチェーン全体のマネジメントを担う。(’23 9/27)