日本能率協会は,2023年の「GOOD FACTORY賞」5社・5工場を決定し,2023年3月8日に帝国ホテル(東京都千代田区)にて表彰式を行い,翌9日に受賞記念講演会を東京コンファレンスセンター品川(東京都港区)にて開催した。
「GOOD FACTORY賞」は,日本およびアジア地域に進出している製造業の生産性や品質の向上・改善活動に成果をあげた工場を表彰するもので,2011年の創設以来,優秀事例を紹介する活動を行っている。第11回目となる2023年は,ものづくり人材育成貢献賞に花王/Kao Industrial(タイ・チョンブリー県)の「アジア基幹工場として,花王タイ自立化への取り組み」が,ものづくりプロセス革新賞にダイキン工業/DAIKIN COMPRESSOR INDUSTRIES(タイ・ラヨーン県)の「ローカル主体でのITを活用した工場の体質強化取組みと基幹部品のモノづくり改革」がそれぞれ選ばれた。また,ファクトリーマネジメント賞には,東芝/豊前東芝エレクトロニクス(福岡・豊前市)の「『ONE BUZEN』人と地球の明日に向けて“モノづくり力世界 No.1”になる」,トヨタ自動車/SIAM TOYOTA MANUFACTURING(タイ・チョンブリー県)の「圧倒的なコスト競争力を目指す『三本柱活動の経営的意義』」,リコー 沼津事業所 CMC事業本部(静岡・沼津市)の「~e-smile!変化を楽しみ,未来に繋げるチャレンジ~『人財』中心に『成長』し続ける最先端自律化工場へ」の三つの取組みが選ばれた。
審査員長を務める伊藤 謙治 氏(東京工業大学名誉教授)は,表彰式で「2022年は新型コロナウイルスが猛威をふるう中,オンラインでの審査を行ったが,2023年は現地審査を行い,“現場に赴き実際を見て説明を聞く”ということの重要性を他の審査員とも改めて実感した」と述べた。
9日の「第11回2023 GOOD FACTORY賞 受賞企業講演会 ~アジア5工場の実践事例に学ぶ~」では,KAO Industrial Vice President,Supply Chain & Factory Managerの浅田 忠信 氏が「アジア基幹工場として,人財活躍を中心とした自立工場実現への取り組み」を,DAIKIN COMPRESSOR INDUSTRIES取締役社長の大井 隆 氏が「ナショナルスタッフ主体でのITを活用した工場体質強化とモノづくり改革」を,豊前東芝エレクトロニクス社長の神谷 和文 氏が「ONE BIZEN『変わる事こそが,未来を創る』“No Change, No Future”」を,SIAM TOYOTA MANUFACTURING PresidentのVirayot Prutakorawong 氏が「圧倒的なコスト競争力を目指す『三本柱活動の経営的意義』」を,リコー沼津事業所 CMC事業本部長 沼津事業所長の村上 栄作 氏が「~e-smile!変化を楽しみ,未来に繋げるチャレンジ~『人財』中心に『成長』し続ける最先端自律化工場へ」を,それぞれ講演した。(’23 4/5)