2023年3月1日

工作機械の国際展示会「EMO Hannover 2023」,9/18~23に独・ハノーバーで開催

アーステック
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2023年9月18日(月)~23日(土)の6日間,独・ハノーバーで「EMO Hannover 2023(エモ ハノーバー2023)」(主催:ドイツ工作機械工業会(VDW)/ドイツメッセ)が開催される。同展は,工作機械の国際展示会で,2019年以来4年ぶりの開催となる今回は「Innovate Manufacturing(マニュファクチャリングにイノベーションを)」をメインテーマに,最新の金属加工技術をあらゆる分野にわたり幅広く展示する。

ドイツメッセ日本代表(代表:竹生 学史 氏)は2月16日(木),都内でプレスカンファレンスを開催し,ヴィルフリート・シェーファー 氏(VDW エグゼクティブ ディレクター),ハートヴィヒ・フォン・ザース 氏(ドイツメッセ プレス&パブリック リレーションズ)が同展の概要について,松浦 勝俊 氏(松浦機械製作所 代表取締役社長)が同展の期待や魅力について発表した(写真)。

写真左から竹生氏,シェーファー氏,松浦氏,ザース氏-EMO Hannover 2023 プレスカンファレンス
写真左から竹生氏,シェーファー氏,松浦氏,ザース氏
EMO Hannover 2019では約12万人が来場

シェーファー 氏は,同展の概要と前回の実績について「EMO Hannoverでは,時代の最先端にある世界の生産技術が紹介されるだけでなく,将来の開発動向を見通すこともできます。2年ごとに開催される同展では,業界の主要関係者が一堂に会し,その3分の2はドイツ国外からの参加です。国際的に有名な大手メーカーが勢揃いし,工業生産における最新の技術イノベーションを紹介します。2019年は世界中から約12万人の業界関係者が来場し,うち日本からは2,700人の専門家が来場しました」と説明した。

テーマは「Future Insights(未来への洞察)」

EMO Hannover 2023では,「Future Insights(未来への洞察)」をテーマに「ビジネスの未来(The Future of Business)」,「コネクティビティの未来(The Future of Connectivity)」,「生産におけるサステナビリティの未来(The Future of Sustainability in Production)」の3つの社会的トピックとそのためのソリューションに焦点を当てる。

「ビジネスの未来」では,新たな市場,新たなビジネスモデル,ビジネスチャンスに焦点を当て,企業のイノベーション文化,アジャイル手法の導入,方法論的知識の構築,構造や仕事のやり方の変化がもたらす可能性について紹介する。

日本は工作機械の生産順でドイツに次ぐ第3位にランクされ,輸出比率は70%弱にのぼる。日本のサプライヤーにとっては,提供する製品・サービスをEMO Hannoverなどの国際展示会で展示することが非常に重要だとし,同氏は「EMO Hannover 2023では70以上の日本の出展者がすでに登録を済ませています。出展者は,EMO Hannoverにおいて,世界中の主要競合他社との比較を通して自社の評価を行い,必要な場合は,能力のあるパートナーを見つけることもできる,そのためのうってつけのプラットフォームが,EMO Hannoverです」と述べた。また,日本にとって重要なのは,技術の購入だけでなく,日本が独自のノウハウを開発し,必要に応じて海外のパートナーと協力することだとし,同氏は「展示会では,生産工学に関わる科学界からも,非常に多くの参加があります。生産におけるデジタル化やサステナビリティに関する専門技術および進行中の研究プロジェクトを紹介しています」と述べた。

日本では少子高齢化に伴って専門家が不足してきている。年配の従業員が難しい仕事を可能な限り続けることができるようにするために今後は初期の研修に加えてその後の追加研修がますます重要になるとし,同氏は「ドイツではそのような二重の研修システムが整備されており,何十年も世界中の多くの国々にとって主要なロールモデルとなってきました。ドイツのエンジニアリング業界では,10年以上も前から,金属加工分野の熟練工のさらなる研修に尽力してきました。専門技術の研修はその分野の成功の基盤だからです。EMO Hannoverでは,機械工学青少年教育・能力開発財団が,エンジニアリング業界における専門技術研修を紹介する予定です。また,DMG森精機など,数多くの産業パートナーが参加するほか,学校・大学も教育や研修に適したツールやアイデアを発表します。併せて,企業が技術・デジタル化の面で現在求めているスキル要件に応じて,研修コースを設計する最善の方法も紹介される予定です」と説明した。

「コネクティビティの未来」では,インダストリー4.0(Industry 4.0),産業IoT(IIoT),デジタル・ビジネスモデル,予知保全,機械学習,コネクティビティ,相互運用性,人工知能(AI)・拡張・仮想現実アプリケーションの動向に焦点を当てる。

ネットワーク構築の基盤として,様々な機械,装置,ソフトウェア間のコミュニケーションのためのオープンインターフェースの標準化が重要となっている。ドイツでは近年,OPC UAをベースとするグローバル生産言語の開発が進められており,国際的にはumatiブランドで発表・推進され,世界的に大きな関心を集めている。VDWは2022年11月に開催されたJIMTOF2022に出展し,25台の機械と企業15社が関わるumatiのプレゼンテーションをライブで行うとともに,多数の討議を開催。umatiは現在,23社の日本のパートナーと提携しており,Edgecrossコンソーシアムにも参加している。同展では,umatiのライブデモが行われる予定で,同氏は「様々なメーカーやシステムと協力してデモを行い,作業現場からIT構造までをネットワーク化する方法や,データを活用して生産を最適化できる方法を紹介する予定です」と述べた。

「生産におけるサステナビリティの未来」では,今日の最も喫緊の課題の1つであり,すでに投資の計画立案にも取り入れられているテーマであるサステナビリティの統合について取り上げる。廃熱回収,再生可能エネルギー源の利用,エネルギーと材料の効率化,水・冷却潤滑剤・包装材の有効利用など,これらすべてが生産におけるサステナビリティの向上に役立つ重要な側面であるとし,同氏は「展示会では,資源節約型でクライメイトニュートラルな生産・工場計画,生産における循環経済,循環型の価値創造,エネルギー効率のよい生産,サステナブルなサプライチェーン,安全な職場設計などを実現するための予防的な取組み,ソリューション,コンセプトを紹介します」と説明した。

<EMO Hannover 2023開催概要>

  • 開催期間:2023年9月18日(月)~23日(土) 9:00~18:00
  • 会場:ハノーバー国際見本市会場(独・ハノーバー)
  • 主催:ドイツ工作機械工業会(VDW)/ドイツメッセ
  • 出展者数※:2,211社(うち,ドイツ国内から749社,ドイツ国外47ヵ国から1,462社)
  • 来場数※:149ヵ国から116,706名(うち,49%がドイツ国内,51%がドイツ国外)
     ※前回EMO Hannover 2019の実績
  • 問い合わせ先:EMO Hannover日本総代理店
     ドイツメッセ日本代表
     合同会社International Linkage
     竹生 学史 氏
     E-mail:masahito.takeo@intl-linkage.co.jp
     URL https://intl-linkage.co.jp/dm/emo-hannover2023/
  • EMO Hannover公式ホームページ
     URL https://emo-hannover.com/  (’23 3/1)

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