ENEOSとPreferred Networks(以下,PFN)は,大規模かつ複雑であり,長年の経験に基づいた運転ノウハウが求められる石油精製・石油化学プラントを自動運転するAIシステムを共同で開発し,ENEOS川崎製油所石油化学プラント内のブタジエン抽出装置にて2日間にわたる自動運転に成功したことを発表した。
プラント自動運転AIシステムは,過去の運転データやシミュレーターデータから複数のセンサー値とバルブ操作間の複雑な相関関係を学習することで,長年の経験に基づいた運転ノウハウであるセンサー値の予測とバルブ操作判断の自動化を可能にした。今回のブタジエン抽出装置では,AIシステムによってプラント内の温度,圧力,流量および製品性状などの25個の運転重要因子の常時監視と12個のバルブ同時操作をおこない,原料処理量の変更などに伴う装置変動を安定化させ,2日間にわたる連続自動運転に成功した。
同開発では,今後も実運用に向けて今後ともブタジエン抽出装置での試験運転を重ね,人の技量に左右されないプラント安定運転を確立したうえで,常圧蒸留装置などの主要プラントおよび他製油所への展開を図っていく。(’22 1/19)