ENEOSは、JSRから合成ゴムの製造・販売を含む同社のエラストマー事業を買収すると発表した。今後JSRは新会社を設立し、会社分割によりエラストマー事業および同事業に係る子会社・関係会社株式を新会社に承継する。その後、ENEOSは2022年4月をめどに、新会社の全株式を取得し、完全子会社化する。
主力の石油製品の内需が減退する中、ENEOSグループは2040年長期ビジョンにおいて、機能材事業を技術力の発展的強化を図る成長事業として位置付けており、素材事業における新たなコア領域の技術獲得により、モビリティ産業をはじめとした様々な産業を支える高機能素材の提供を図る。
JSRのエラストマー事業は、業界最高水準の性能を保有するタイヤ素材であり、低燃費・高性能タイヤのトレッド(路面との接地面)の原材料として欠かせないSSBR(溶液重合スチレン・ブタジエンゴム)を主力製品として、モビリティ産業に不可欠かつ環境負荷低減に貢献する素材を提供している。世界的なモビリティ需要の拡大に加え、タイヤは動力源や形態の変化に関わらず必要と見込まれている。(’21 5/26)