2019年5月22日

イグス,2019年「マヌス賞」を発表

アーステック

モーション・プラスチックカンパニーのイグス(ドイツ)は,高性能樹脂製ベアリングを採用した創造性に富んだアプリケーションを表彰する,2019年「マヌス賞」を発表した。今回で9回目となる同賞には,世界32ヵ国から445の応募が寄せられた。

 金賞に輝いたのは,スコットランドの機械設計会社ToolTech社の「オフショア検査装置」。同製品は,水中の石油・ガスプラットフォームに設置されたパイプラインを洗浄・検査する装置で,パイプの周辺にカフスのように巻き付き,ローラーで移動しながらパイプラインの洗浄や脆弱な部分を検知することが出来る。金属製のベアリングは腐食しやすいため,イグスの高性能樹脂製部品が採用された。海水への耐性に優れ,無潤滑・メンテナンスフリーの部品が,厳しい条件下でも確実な走行を実現する。

 銀賞は,ドイツ・ミュンヘンの造船メーカーCECカタマラン社が開発したスポーツカタマラン(双胴船)「iFLY 15」。同製品は速度を上げると機械的な飛行制御システムにより船体が水上約0.5メートルに浮上し,4枚の小型の折り畳み式水中翼によって最大30ノット(55km/h)で走行する。重量削減など制御システムに関わる課題を克服するため,水中翼にイグリデュール高性能樹脂製すべり軸受を使用した。

 銅賞は,フランスのKempf社が開発した「運転支援システム」。障害者や車いす使用者による車の運転を可能にする。ハンドルに装備された制御リング「ダリオス(Darios)」を押せば正確に加速し,ブレーキをかけるときはハンドル横の手動ブレーキを操作する。通常のペダル操作は不要で,最新版の制御リングは単純な円形ではなく,モダンなハンドルと同じように底辺がフラットなデザインとなっている。イグスの3Dプリントによって200個もの高性能樹脂製パーツを作り,連結して,世界初のD型形状加速制御リングに組み込んでいる。

 これまでの受賞者やアプリケーションに関する情報は以下URLより。
https://www.igus.co.jp/manus  (’19 5/22)

2019年マヌス賞授賞式-イグス

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