JXTGエネルギーは,和歌山製油所(当時,東燃ゼネラル石油和歌山工場)で2017年1月18日に発生したタンク火災,および1月22日に発生した潤滑油製造装置群火災について,最終報告を「JXTGエネルギー株式会社和歌山製油所火災事故報告書」として取りまとめ,関係各官庁に提出した。同報告書は,外部有識者を含む事故調査委員会を2月10日に設置し,4ヵ月にわたって審議を行いまとめたもの。
同報告書によると潤滑油製造装置群の火災は,水分が凝縮した箇所でアルカリサワーウォーター(アンモニア水に硫化水素が溶解したもの)による激しい腐食が発生し,配管穿孔,内部流体(水素ガス等)の漏洩,静電気による着火,火災に至った。アルカリサワーウォーターは,腐食因子として特定され保安管理を行っていたが,アルカリサワーウォーターによる腐食のメカニズムは十分に解明されていないこともあり,今回の急激な腐食を予見できなかったとしている。再発防止策として,洗浄水注入設備の設置と腐食管理の実施を提言している。
開放清掃中のタンク火災は,タンク内部クリーニングのために原油を抜き出した後,開放された原油タンクの底板上に堆積していたスラッジに含まれる硫化鉄が空気に触れて酸化発熱により高温となり,スラッジ中の軽油成分などに着火,火災に至った。硫化鉄の自然発火リスクの低減は要領書に規定されていたが,現場作業手順書には具体化されず,実行されなかったとしている。再発防止策として,要領書,作業要領書の改善と再確認,リスクアセスメント教育の再点検を提言している。
いずれも法令や同社の規定に沿って保安管理がなされていたが,結果として事故に至ったとしている。(’17 6/28)
「トライボロジー会議2024 秋 名護」開催される
日本トライボロジー学会(JAST)は2024年10月30日(水)~11月1日(金)の3日間,「トライボロジー会議2024 秋 名護」(実行委員長:澤江 義則 氏・九州大学)を開催した。