総務省消防庁は,2020年に危険物施設における火災及び流出事故件数を発表した。それによると火災事故が187件(2019年218件),流出事故が375件(同380件),合計が562件(同598件)だった。
SSなどの給油取扱所で発生した火災事故は2019年より1件少ない30件,危険物流出事故は同8件少ない62件。火災事故の出火原因物質はガソリンなどの第1石油類が11件,灯油や軽油などの第2石油類が2件あった。火災事故の発生原因は,人的要因が14件,うち操作確認不十分が5件,監視不十分が3件,維持管理不十分が2件,誤操作2件,操作未実施2件,物的要因が3件,うち腐食疲労等劣化が2件,破損が1件,その他の要因が12件,うち放火等が6件,類焼が6件だった。着火原因は,静電気火花7件,裸火6件,過熱着火4件,電気火花3件,高温表面熱1件,衝撃火花1件などとなっている。
また,SSなどの給油取扱所で発生した危険物流出事故で,流出した物質は第1石油類が33件,第2石油類が27件で多かった。流出事故の発生原因は,人的要因が31件,うち誤操作が10件,監視不十分が10件,操作確認不十分が9件,維持管理不十分が1件,操作未実施が1件,物的要因が27件,うち腐食疲労等劣化が14件,破損が7件,故障が4件,施工不良が2件だった。(’21 7/7)