ドイツの特殊化学品メーカー,ランクセスは,同社の高性能プラスチック「デュレタン®(Durethan®) BKV35H2.0」(ポリアミド6)が,独 IBSフィルトラン社の開発した新型の自動車用プラスチック製トランスミッションオイルパンに採用されたと発表した。
ポリアミド類は,トランスミッションオイルパンの製造において,軽量構造,コスト削減につながる機能統合,デザインの自由度など,多くの利点を有しており,特にポリアミド66は,近年,大型射出成形部品の量産に広く使用されている。また,ポリアミド66よりも安価なポリアミド6も同様の目的に適しており,実用化が進んでいる。今回,IBSフィルトラン社はポリアミド6の耐油性と耐熱性を広範囲に調査。様々なトランスミッションオイルを用いて実施された150°Cでの耐久性テストでは,経年変化において同等のポリアミド66と違いがなく,耐衝撃性と破断伸度はポリアミド66よりも若干優れていることが示された。
ポリアミド66は,アジポニトリル(主原料)の不足のために時折価格が高騰し,場合によっては十分な量が入手できない場合があるため,ポリアミド6はその代替品として期待されており,今回「デュレタン(Durethan)BKV35H2.0」ポリアミド6コンパウンドで作られたトランスミッションオイルパンは,最新式のオートマチックトランスミッションの一部として様々な自動車メーカーの車両に導入が進められている。(’21 4/21)