ロボットスタートアップのアトムと日本精工(以下,NSK)は,国産ヒューマノイドAIロボットの社会実装に向けた包括的パートナーシップに関する覚書(MOU)を締結した。同日,アトムが東京都江東区に新設したデータ収集拠点「アトム フィジカルAIファウンドリ」で,共同記者発表会と施設見学会を開催した。
アトムの青木 俊介 社長は,日本の部品メーカーの強みを活かした開発について「部品開発の面,そしてデータ収集の両面で2社が提携することにより,ヒューマノイドAIロボット産業そのものを作り出すことを目指す。フィジカルAIとハードは車の両輪。NSKが誇るハード技術と,我々のフィジカルAI基盤モデルを擦り合わせ,世界の競争に勝っていきたい」と語った(写真1)。
一方,NSKの市井 明俊 社長は,「当社が長年培ってきたトライボロジー技術を生かしながら,部品レベルでの摩擦や動作特性を高精度に予測しながら,AIが求める動きを安定して再現できる機械ユニットの実現に取り組む。今後ヒューマノイドロボットの実装,量産において重要な技術」と語った。
アトムが開発する五本指・双腕・二足歩行のヒューマノイドロボットの関節部にはNSKのロータリー・リニアの各アクチュエータ(写真2,3)などが1台あたり30個程度搭載される。アクチュエータには指先のような敏感な動きやパワーを求めるような要求の違いがある。ヒューマノイドを構成する部品において,アクチュエータとバッテリーは大きな構成部品となる。フィジカルAIの開発においては,AIを駆動させる際にアクチュエータが指示通り動けるかが大きなポイントになる。
同日開所した「アトム フィジカルAIファウンドリ」は,1700m²の敷地面積を誇り,2027年までに200台のロボットを稼働させ,累計30万時間におよぶ学習データを収集する計画。
両社は,アクチュエータの共同検証,製造現場を活用したフィジカルAIデータの共同収集を通じて,実機から得られたデータをAIの学習と機体の改良に継続的に還元することで,AIとハードウェアを同時に進化させる垂直統合型の開発サイクルを加速し,2027年の自社開発ヒューマノイドAIロボットの市場投入を目指す(写真4)。(’26 9/2)











