ホンダは,2020年2月18日(火),同年4月1日付で事業運営体制を変更し,研究開発子会社の本田技術研究所(埼玉県和光市)の四輪車の開発機能をホンダ本体に統合することを発表した。
(1)四輪事業運営体制の変更
従来の「営業(S)・生産(E)・開発(D)・購買(B)」の自立した各領域による協調運営体制から,SEDB各領域を統合した一体運営体制へ変更し,四輪事業全体を捉えた戦略を立案し,より精度の高い企画に基づく開発を実現するとともに開発から生産まで一貫した効率のよいオペレーションを通じてものづくりを進化させる。
具体的には,本田技研工業の生産本部と購買本部,事業管理本部の四輪機能,本田技術研究所のデザインなど一部機能を除く四輪商品開発機能,ホンダエンジニアリングの四輪生産技術開発・設備製造機能を四輪事業本部に統合する。
四輪事業本部は,環境変化にフレキシブルに対応できる事業戦略立案を担う「事業統括部」,従来のクルマづくりを進化させ,競争力のある商品を開発する「ものづくりセンター」,商品の生産を担うとともにグローバルでの生産品質の管理と高位平準化を担う「生産統括部」,事業戦略に最適なサプライチェーンの企画・実行を担う「SCM統括部」,地域と一体となった営業戦略の立案・実行を担う「営業統括部」の5部門に再編する。(図1)
(2)本田技術研究所 組織運営体制の変更
本田技術研究所は,新たなモビリティやロボティクス,エネルギーなど,新価値商品・技術の研究開発に集中する。
具体的には,知能化,生産技術,自動運転と先進運転支援システムなどの研究開発機能を追加し,新価値創造に向けた機能を強化した「先進技術研究所」,二輪・四輪・パワープロダクツ・ジェットのパワーユニット・エネルギー技術の研究開発機能を統合した「先進パワーユニット・エネルギー研究所」,二輪・四輪・ライフクリエーションのデザイン機能を統合した「デザインセンター」,パワープロダクツ領域の研究開発を行う「ライフクリエーションセンター」,四輪モータースポーツの技術開発を行う「HRD Sakura」の5部門に再編する。(図2)
(3)コネクテッド・モビリティサービス領域 事業運営体制の変更
同社が現在取り組んでいる次世代サービスの事業化をさらに加速させるため,現在事業ごとに持つコネクテッドサービス,eMaaSの戦略企画・開発・事業推進の各機能を統合し,モビリティサービス事業本部を新設。また,同年2月18日付で,日本でのモビリティサービス事業を担う新会社「ホンダモビリティソリューションズ株式会社」を設立した。(図3)(’20 2/26)