出光興産と日本道路は,排ガス中のCO₂を固定化した合成炭酸カルシウム「カルカーボ®」を配合するアスファルト舗装の実証施工を,国内の一般道路(茨城県鹿嶋市の市道)で初めて行った。
同材は,ボイラー排ガス中のCO₂と,電柱や基礎杭等コンクリート製品製造工場で発生するコンクリートスラッジ(コンクリート製品製造最終段階で余る「残コン」とも呼ばれる残余物。セメントと水が主成分)に含まれるカルシウムを合成するカーボンリサイクル技術で製造される。通常,アスファルト舗装材は,アスファルト,粗骨材,細骨材及びフィラー(混和剤/微粉末充填剤)を混合して構成されるが,フィラーとして使用する粉砕石灰石(天然炭酸カルシウム)の代わりに同材を使用することで道路へのCO₂固定化と廃棄物の有効活用を実現する。
今回は性能検証を目的に,鹿嶋市の市道0201号線にて老朽化してひび割れや凹凸が見られる一部区間約400m²のうち約200m²を,同材を配合したアスファルト舗装材で施工した。舗装材にはおよそ1tの同材を使用し,約200㎏のCO₂を道路に固定化した。(’25 10/8)