ENEOSは,SEDCエナジー,住友商事との間で再生可能エネルギーを活用したCO₂フリー水素サプライチェーン構築に向けての検討を行っており,2023年10月に共同開発契約を締結したことを発表した。また,この取り組みはAZEC首脳会議における「日ASEAN経済共創フォーラム」のセレモニーにも採用された。
共同開発するCO₂フリー水素サプライチェーンは,マレーシア・サラワク州において,水力発電による再生可能エネルギー由来の電力を用いて,2030年までに年間9万t規模のCO₂フリー水素を製造し,その後,効率的な水素の輸送形態の一つであるMCH(メチルシクロヘキサン)に変換して日本の需要地に海上輸送する事業となっている。
サラワク州は「地域のグリーン水素ハブ」構想を掲げ,現在,合計約3.5GWの水力発電所が稼働するなど,豊富な水力資源のポテンシャルを有しており,再生可能エネルギー由来の電力を利用した水素製造に優位性がある。水力発電は出力の変動が少ないため,安定かつ高い稼働率でCO₂フリー水素製造ができる。(’24 2/14)