シュナイダーエレクトリックは,自然科学研究機構 国立天文台の計算機システムに,同社の高効率局所冷却装置「InRow(インロー)」を導入したことを発表した。
国立天文台の三鷹キャンパス内にある計算機室では,消費電力が大きいGPUクラスタをはじめ,様々な機材が設置・使用されている。各機器から発生する熱は機材によって差があるため,局所的な熱だまりが発生しており,以前は大型の扇風機で熱を拡散していたが,GPUのリプレースを行ったことで,発熱密度の高い部分がさらに高温になる変化が想定され,機器の高密度化を見据えた電源・冷却装置が必要とされていた。また,屋上チラー(循環水冷却装置)と配管を有効活用した柔軟な設備計画が必要となり,予算に応じて柔軟かつ段階的に機器導入を行うことが可能な,同社の高効率冷却ソリューションの採用が決定した。
局所冷却が可能な同製品は,「冷やしたいところだけ,きちんと冷やせるようにしたかった」という国立天文台のニーズに適応しており,環境温度の上昇に応じ,処理能力が落ちるGPUやCPUの状態にあわせて冷却することができた点が評価されている。また,今後,計算機器の追加や配置変更等を行うことで空調機器を追加することになっても,機器の排熱量が同じであれば室外機を増やす必要が無く,経済的に運用していくことができることも,採用決定の要因となった。(’23 8/23)