2023年2月1日

ランクセス,2022年度事業活動に関する記者説明会が開催される

アーステック
メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2025
'25 7/23~25
メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025
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ドイツ・特殊化学品メーカーランクセスの日本法人であるランクセス(代表取締役社長:ジャック・ペレズ 氏,写真1)は2022年11月29日(火),2022年度事業活動に関する記者説明会を都内で開催した。

ランクセス 代表取締役社長 ジャック・ペレズ氏
写真1 ジャック・ペレズ氏

ランクセスはグローバルに事業展開をする特殊化学品企業で,2004年にドイツのバイエル社から分離・独立し,世界に53の製造拠点,33ヵ国に13,200名の従業員を擁す。

同社の中核事業は,中間体,添加剤,コンシューマープロテクション製品の開発・製造・販売であり,コンシューマープロテクション(効果的な保護機能を備えた特殊化学品),スペシャリティアディティブス(ポリマーおよび特殊化学品製品の加工業者向けの添加剤とサービス),アドバンスト中間体(世界市場向けの高品質な工業用中間体)の3つの部門により構成され化学品,建設,栄養・健康・消費財,農業および畜産衛生,エネルギー・天然資源産業用,自動車など幅広い産業にサービスを提供している。

ジャック・ペレズ 社長によると2022年1月から9月までの同社のグローバルにおける売上は前年同期比38%増の約61億ユーロ。中規模市場でリーディングカンパニーとしての位置付けを強化し,欧州での統合と米国・アジアにおける拡大,価値基準および行動指針「パフォーマンスカルチャー」による差別化を図り,事業の売却や買収を通じて製品ポートフォリオの最適化を行いながら戦略的な経営効率化を進めている。

同社の持続可能性への取組みとしては,2024年までにバイオマスや再生可能エネルギーに切り替え,合計でCO₂を150kton/年削減を実現(インドでのプロジェクト)するためにエネルギーとCO₂を大量に消費するプロセスを見直し今後10年間でグリーン電力供給へ完全移行に向けたプロジェクトを進行している。また2050年にはサプライチェーン全体におけるネット・ゼロへ向けて,持続可能な原材料の活用,グリーン物流への移行,低炭素/循環型製品ブランド「スコープブルー(Scopeblue)」やカーボンフットプリント(PCF)認証による透明性の確保など気候戦略を強化している。

電動化を視野に入れた自動車産業向けビジネスにも注力している。eモビリティに関連する戦略的プロジェクトでは,カナダのスタンダード・リチウム社と協力して,米国アーカンソー州エルドラドにある同社試験プラントで2020年12月から,塩水から電池グレードのリチウムを抽出するためのパイロットプラントが稼働しており,すでにバッテリに使用できる高純度のリチウム抽出に成功している。電解質プロジェクトでは,中国大手リチウムイオン電池材料メーカーと協力契約を締結し,フォーミュレーションを供給する話し合いが進められており,今後はドイツのサルティゴ工場で製造したフォーミュレーションを欧州のバッテリセルメーカーへ供給することを目指す。

再生可能原料を90%以上使用したイオン交換樹脂の新製品「レバチット® スコープブルー」など今後はこれら成長戦略の推進とクライメイト・ニュートラル(気候中立)を目指す。(’23 2/1)

ランクセスグループ地域別売上及び投資/業種別売上高-2022年度事業活動
図1 ランクセスグループ地域別売上及び投資/業種別売上高

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