日本精工は,同社試験機の「電動射出成形機用ボールねじ 耐久試験機1号機」がトライボロジー技術の発展への貢献が認められ,日本トライボロジー学会より,トライボロジー遺産に認定された。トライボロジー遺産は,科学と技術の発展の歴史において,重要な貢献をしたトライボロジーに関係する技術や事物を発掘し保存するために,「トライボロジー遺産」として認定し,情報発信と顕彰を行なうことを目的とした賞。
射出成形機の樹脂を押し出す送り駆動は,一般的とされていた油圧駆動から,1980年代以降は電動化への動きが加速していたが,電動射出成型機の送り駆動に使われるボールねじは,極めて大きな荷重を受け,さらに小ストローク運転で使用されるため,潤滑も含め,ボールねじの耐久性が課題とされていた。
同試験機は,ボールねじの耐久性向上を図るために1990年に製作されたもので,試作品の評価から改良までが行えるようになり,その後の電動射出成形機の性能向上及び産業機械の電動化の発展に貢献した。(’20 7/29)