インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(以下,IVI)は,2018年3月8日(木)~9日(金)に東京コンベンションホール(東京都中央区)で「IVI公開シンポジウム2018 -Spring- ~あらたな時代を望む大胆なビジネス戦略とグランドデザイン~」を開催し,IVIの活動状況や業務シナリオWGの活動の成果発表など,日本のつながるものづくりへの取り組みを発表した。
IVIは2015年6月の設立以降,「つながる工場」,「ゆるやかな標準」をコンセプトにIoT時代のものづくりにおける現場の課題を起点とした業務シナリオに関するワーキンググループを立ち上げ,協調領域(各企業で共通すべき部分)をリファレンスモデルとした相互につながるしくみ作りについて検討を進めている。
シンポジウムの基調講演で,IVI理事長の西岡 靖之 法政大学デザイン工学部教授は,「SECOND GEAR これから3年で製造業が変わる! ~IVRA-Next~」というテーマで,製造業におけるこれから予想される環境変化と,ゆるやかな標準でつながる連携フレームワークスの概要など,製造業の大変革時代におけるこれからの取組などについて講演した。内向きの国内思考からグローバル思考,自前主義からオープン&クローズ思考,要素技術思考からシステム思考,すり合わせ思考からモジュール思考など,製造業が第4次革命に向けて変わらなければことや,守るべきことなどが説明された。
また,ワーキンググループの発表は以下の6つのトピックスにわかれ,モデレーターの進行で実証実験の成果がそれぞれ発表された。
業務シナリオトピック1「企業間の協調領域と競争領域の境界はここだ!」
業務シナリオトピック2「モノからコト,サービス化が進む製造業の姿」
業務シナリオトピック3「見えてきた!日本的なサイバーフィジカル連携」
業務シナリオトピック4「現場のディープなデータがモノづくりを変える!」
業務シナリオトピック5「AIとシンギュラリティで現場はどうなる?」
業務シナリオトピック6「品質データの信頼性を守り抜くための処方箋」
IVIの会員数は2018年2月現在,616名(正会員:大企業88社,中小企業65社,サポート会員:大企業32社,中小企業39社,学術会員19名,賛助会員:17団体の合計260社・団体)となり,国内海外活動の幅を広げながら,ものづくりにおけるサイバーフィジカルな生産システムで各企業のバリューを高める活動を推進している。(’18 3/14)