2026年7月8日

DMG森精機,GENIAC事業に採択,製造設備データ基盤と製造フィジカルAIの研究開発を推進

DMG森精機は,経済産業省およびNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施する「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/データエコシステムの構築等に関する研究開発(GENIAC事業)」において,同社を含む共同提案が採択されたと発表した。産業技術総合研究所(産総研)やグループ会社などと連携し,生産設備データエコシステムの構築と製造フィジカルAIの基盤モデル開発に取り組む。

同事業は,産総研が推進する「製造AX(AIトランスフォーメーション)」とも連動し,製造現場で分散して管理されている設備データや品質データを統合し,AI開発と製造現場への還元を循環的に行う基盤の整備を目指すもの。DMG森精機は,産総研,グループ会社のWALC,DMG MORI Digitalと連携し,高精度・高信頼加工を支えるデータ基盤の構築を進める。

近年,航空・宇宙,医療,半導体など高付加価値分野では高精度・高信頼な加工への要求が高まる一方,製造データは企業ごとに分散しており,企業横断で活用できるAI開発基盤の整備が課題となっている。また,海外では市場投入後の設備から継続的にデータを収集し,研究開発や製品改良に生かす取り組みが進んでおり,日本でも実運用データを活用したAI基盤の構築が求められている。

同事業では,同社の製造業向けプラットフォーム「CELOS Xchange」を基盤に,約100社・約1,000台の生産設備から設備状態や加工工程,品質,周辺設備などのデータを高頻度で収集する。約100TB規模の実運用データを匿名化・構造化・権利処理を施した上で,提供要件に基づきAI開発などへの活用を目指す。

さらに,設備異常検知に加え,品質予測や加工条件の最適化など多目的なAI基盤の構築を進めるほか,市場投入後の設備からデータを継続的に収集・学習・還元する仕組みの確立にも取り組む。段階的な社会実装を計画しており,初期段階では設備・加工の異常検知AIやAIチャットボットを導入し,その後,品質予測や消費電力予測への展開を図る。将来的には,自律走行搬送ロボット(AMR)や計測機を含む生産セル全体へのフィジカルAIの適用を検証し,製造現場全体の最適化につなげる考え。

同社は,工作機械および製造プラットフォームを提供する企業として,実運用データの収集からAI活用,製造現場への実装までを一体的に推進し,高付加価値製造の実現と日本の製造業の競争力強化に貢献するとしている。(’26 7/8)

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