2026年3月25日

「IVI公開シンポジウム 2026-Spring-」が開催される

インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(IVI)は2026年3月12日(木),機械振興会館(東京都港区)およびオンラインのハイブリッド形式で「IVI公開シンポジウム 2026-Spring-」を開催した。

近年,世界情勢の不安定化やエネルギー価格の高騰,AI技術の急速な進展など,製造業を取り巻く環境は大きく変化している。こうした状況を踏まえ,今回のシンポジウムでは「ものづくりから未来を創る~身近なイノベーションを再定義する~」をメインテーマに掲げ,製造現場から生まれるボトムアップ型のデジタル変革について議論が行われた。

会場風景-IVI公開シンポジウム 2026-Spring-
会場風景

シンポジウム冒頭では,経済産業省製造産業局長の伊吹 英明 氏がビデオメッセージを寄せ,「製造現場で蓄積されるデータの活用が,今後の製造業の競争力を左右する重要な要素である」と指摘し,日本の製造業がデジタル技術を活用して新たな価値を創出していく必要性を強調した。

基調講演では,日本能率協会コンサルティング(JMAC)の 毛利 大 氏が登壇,スマートマニュファクチャリングの考え方を軸に,製造業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の進め方について解説した。「特に,現場の業務プロセスを理解したうえでデジタル技術を導入することが重要であり,データを活用した継続的な改善が製造業の競争力向上につながる」と述べた。

今回のシンポジウムの大きなトピックとなったのが,「製造業PLM(Lean PLM)」標準仕様の初公開である。IVI理事長の西岡 靖之 氏は,オピニオン講演「製造業PLMが日本を変える!~日の丸デジタル部隊の進撃予告~」で,設計と製造のデータを一体的に管理する共通モデルの必要性を説明した。この取り組みは,日本の製造業が共通のデータ基盤を持つことで,企業間連携や生産性向上を実現することを目的としている。2026年4月にドイツで開催されるハノーバーメッセでLean PLMを発表し,日本発の製造デジタル標準を国際的に展開していく方針を示した。

西岡理事長-IVI公開シンポジウム 2026-Spring-
西岡理事長

その後のセッションでは,今年度活動した10の業務シナリオワーキンググループ(WG)による成果発表が行われた。

カーボンニュートラルへの対応,AIを活用した保全業務の効率化,中小企業の検査データデジタル化など,現場の具体的な「困りごと」を起点としたデジタル活用の実証事例が多数紹介された。

また,地域セミナーの成果を称える「IVI地域アワード」の発表も併せて行われた。

IVIは,IoTやAIといった先進技術が普及するなかでも,常に「人・現場主体」のものづくりを中核に据えている。企業の垣根を超えて繋がる「ゆるやかな標準」を通じて,日本の製造業の高度化と国際競争力の強化を今後も目指していく。(’26 3/25)

Related Posts

Share This