NTNは,EV(電気自動車)の駆動源であるe-Axleに使用される軸受としてEV特有の課題である電食を抑制する「樹脂モールド絶縁軸受」の量産を開始した。
同商品は,軸受の外輪外径面および幅面に樹脂絶縁層を射出成形することで電食の発生を抑制する。耐電圧1,000V以上の絶縁性を確保しているほか,樹脂絶縁層は材料面および成形技術面から優れた耐久性を有しており,広範囲の温度変化にも対応可能でかつ軸受の組み付け時にも剝がれにくいという特長を持つ。
今回,海外の自動車メーカーが製造するEVのe-Axleに同商品が採用され,絶縁性能や耐久性を評価されて量産受注に至った。
EVバッテリーは,航続距離の延長やバッテリーの充電時間の短縮などを目的に高電圧化が進んでおり,将来的には約800Vのバッテリーの普及が予想されている。耐電圧1,000V以上の絶縁性を実現している同商品は800Vのバッテリーにも使用可能であり,今後ますますの採用拡大を見込んでいる。(’25 7/16)