NSKメカトロニクス技術高度化財団(理事長 内山 俊弘,日本精工相談役)は,2024年度の研究助成対象15件,教育助成対象7件,集会助成対象3件を決定し,2024年3月13日(木)に,日本精工(NSK)本社で助成金交付式と懇親会を開催した。
2024年度の助成額は,それぞれ研究開発助成3,000万円,教育助成900万円,集会助成150万円で総額4,050万円。
同財団は,日本精工とその関連企業が出捐するもので,メカトロ技術の発展を目的に1988年に設立され,2010年11月より公益財団法人に移行し改称した。
主な活動内容は,(1)メカトロニクス技術の高度化に関する研究を対象とした「研究助成」,(2)2012年度から開始し,高専を対象とする「教育助成」,(3)成果発表の国際大会などに対する「集会助成(技術集会助成)」の3点。また研究対象は,(1)トライボロジー,(2)センサー,(3)アクチュエーター,(4)軸受,直線運動機構,(5)運動及び動力伝達機構とその要素,(6)機械の精密運動制御,(7)工作機械及び加工,(8)ロボット機構と制御,(9)メカトロニクス技術の半導体産業,医療機器産業,環境産業,エネルギー産業,輸送機器産業などへの応用の9点となっている。
設立以来,これまでに679件の研究助成,63件の教育助成を行っており助成総額は約12億4,363万円である。
2024年の助成対象として,研究助成には15件が決定した。トライボロジー関連では「マルチモーダル・オペランド計測に基づく摩擦界面の潤滑―電食現象の同時計測技術の基盤確立」(大久保 光 氏・横浜国立大学 環境情報研究員 助教),「AEセンシングを活用したボールねじのトライボロジー診断・評価(長谷 亜蘭 氏・埼玉工業大学 工学部機械工学科 准教授),「摩擦界面におけるトライボ被膜の成長と摩耗が被膜維持に及ぼす影響の解明」(村島 基之 氏・東北大学大学院 工学研究科 機械機能創成専攻 准教授」の3件が決定した。2024年度の応募助成研究課題の傾向としては,昨年度に引き続き,発展が目覚ましいロボット機構と制御を対象とする研究対象の比率が高くなっている。
教育助成には,複数の教員がグループで複数の学年,学科を対象とするA助成には香川高等専門学校,熊本高等専門学校,鹿児島工業高等専門学校の3校が,単一のメカトロニクス関連教育科目の1名の教員を対象とするB助成には今泉 文伸 教授(小山工業高等専門学校)をはじめとする4名が決定した。
交付式で内山 理事長は,「メカトロニクス技術は日本の産業の発展と国民の幸福に具体的に寄与することが求められている。この観点からも当財団では研究テーマを審査しているが,採択された研究テーマは選りすぐりのものと言える。これまで助成させて頂いた多くの研究が,論文として学会誌に,あるいは国際会議に発表され,また他の研究者に広く引用されるなどして,メカトロニクス技術の高度化に大きく寄与したものと考えている。助成事業を通じて社会に貢献し,我々の夢を形にしていくことが出来れば,これほど喜ばしいことはない」と挨拶し,各助成対象者へ交付証が授与された。
その後懇親会が催され,来賓の経済産業省や各教育機関の関係者,NSK社員,助成対象者などが集まり盛会となった。(’25 3/26)