2025年3月5日(水)~7日(金)の3日間,切削工具製造技術と研削加工技術に特化した専門展示会「第4回Grinding Technology Japan 2025(グラインディングテクノロジージャパン2025)」(主催:日本工業出版,産経新聞社)を幕張メッセ国際展示場(千葉市美浜区)で開催し,3日間で6,524名が来場した。
国内外の研削盤や砥石を始め計測機器や周辺機器,工具製造に関する工作機械や素材と周辺機器などが数多く出展した。
会場では大学や研究機関による最新の研削加工や研削工具の計測・評価,レーザ加工,超精密加工・微細加工,環境調和型加工など研究室の技術展示や講演,パネルディスカッションが行われた。
連日併設イベントとして基調講演やセミナーが開催され,3月5日には清水 伸二 氏(日本工業大学)によるパネルディスカッション「これからの工具づくりと工具研削盤を考える ~DX化,自動化への対応」,技術セミナーとして「研削加工」「切削工具」などが行われ多くの来場者が聴講した。
職場環境改善や産廃物削減製品などの開発販売をするクール・テックは,「高pHアルカリイオン水生成装置」や少量サンプルで測定可能な「COCO Compact Brix Meter」を出展。3月5日には現場での事例を交えたセミナー「アルカリイオン水でクーラント液腐敗防止・ドレス間研削加工数UP事例のご紹介」が行われた。
ユアサ商事のブースでは,サンメンテナンス工機の脆性材専用精密濾過タンクなどを展示。「微小なスラッジを溜めない。加工を止めない。」をコンセプトにした精密濾過を備えた専用タンクなどを紹介した。その他ツガミの高速マシニングセンサ,ジェイ・シー・シーの質別AEセンサーなど取り扱いのあるメーカーと共同でブース出展をおこなった(写真1)。

日興キャスティと関西特殊工作油の共同ブースでは,加工効率アップや作業環境の改善,環境対策などの観点からユーザーが正しく加工油の選定が出来ているかヒヤリングをしながら,最適な油剤の提案をしていた。また,関西特殊工作油のバイオマスマーク識別表示適合商品「ケミカットF900シリーズ」などを展示していた。
福田交易は,世界中の機械メーカーで標準的に採用されている,HYPROSTATIK社の油静圧スピンドル,GMN社製の高周波スピンドル,Balance Systems社のAEセンサー,OTT-JAKOB社のクランプ力測定器など工作機械や研削分野に関わる幅広い製品を展示した。
リューベは使い捨てジャバラカートリッジから,回収して新しい潤滑剤を充填する容器「RECOG」や標準型定量オイルポンプ「NICOL」などを展示した。「RECOG」への切り替えで廃棄物の削減や円筒形状にしたことで最後まで潤滑剤を使いきれること,容器にメモリが入っているため残量の確認がしやすいことなどを来場者に説明していた(写真2)。

同展示会は2年ごとの開催を予定しており,次回は2027年3月10日(水)~12日(金)まで,幕張メッセでの開催を予定している。
先進テクノフェア(ATF2025) 「ものづくりの30年の変遷と30年後の未来」
砥粒加工学会は,2025年3月6日(木),「Grinding Technology Japan2025」内で「先進テクノフェア ATF(Advanced Technology Fair)」を開催した。今回は学会の法人化30周年を記念し,大森 整 氏(理化学研究所 主任研究員,写真3)が「時代により変化するニーズへ対応した超精密加工研究の変遷―鏡面仕上げから高機能表面創成への道―」,向井 良平 氏(元 砥粒加工学会会長,元ジェイテクト)が「ものづくりに貢献する研削盤・研削加工の変遷(30年の振返りと,これからを語る)」,森 和男 氏(元 産業技術総合研究研 デジタルものづくりセンター 所長)が「中小企業の未来を拓くAI活用」,松澤 正明 氏(KAGAMI 代表社員)が「バフ研磨技術のDXと今後」,田原 弘一 氏(大阪産業大学 副学長)が「未来の産業―宇宙産業におけるものづくり ―太陽系宇宙の開発,はやぶさを越えて,新型ロケット発進!―(動画再生)」と題し,「ものづくりの30年の変遷と30年後の未来」をテーマに講演を行った。
また,会場では卒業研究発表会として大学・高専における卒業研究をポスター展示,砥粒加工学会賛助会員のパネル展示と共に賑わった。(’25 3/26)
