三洋化成工業は,バイオディーゼル燃料向けに新たなポリメタクリレート系添加剤「ネオプルーバーHBF-101」を開発した。
バイオディーゼル燃料は,植物や廃食用油を原料としCO₂排出量が実質ゼロとみなされるカーボンニュートラルなエネルギー源とされているが,軽油に比べ低温環境下では流動性が悪くなることが課題とされている。
新開発の製品は,従来の「エコプルーバー」の低温流動性を更に改善することで,寒冷地でのエンジントラブルを防止し,地域ごとに異なる原料の性状に応じた個別の対策を取る必要が減り,バイオディーゼルの利用促進とCO₂排出削減に貢献するもの。
今後,高濃度のバイオディーゼル燃料をエンジンに混合するニーズに対応し,低温環境下で流動性が損なわれやすいという課題を克服するよう設計され,添加剤を0.3%配合した場合,燃料の目詰まり点を約2~4℃程度下げる効果があり-10℃での低温流動性の改善効果が認められる。また,大豆油,パーム油,菜種油,廃食用油などさまざまな原料から製造されるバイオディーゼル燃料の地域や供給元を問わず高い効果を発揮し,フィルターやポンプの目詰まりを防止することができる。
特に冬季の低温地域でのバイオディーゼル燃料の利用拡大に寄与することが期待される。ヨーロッパやアジア市場でもバイオディーゼル燃料の普及が進んでおり,本製品の需要拡大を見込んでいる。
2025年冬からの本格販売に向け京都工場で生産を開始し,2028年度には国内外で年間300tの販売を目指している。
※目詰まり点(Cold Filter Plugging Point: CFPP)とは,燃料の流動性・凝固点を評価する指標で,目詰まり点が低いほどより低温で燃料を使用可能となる (’25 1/15)