DMG森精機は,グループ最大の生産拠点である伊賀事業所(三重県伊賀市)で,工作機械のベット・コラムなど,大物鋳物部品の加工を行う第3精密加工工場を稼働開始した。
同事業所では,これまで2棟の精密加工工場にて内製部品の加工を行っていたが,5軸・複合加工機の需要増加による大型高精度・高品質部品の生産増加への対応や,内製化や工程集約による品質向上,生産性向上をさらに推進するため,3棟目となる第3精密加工工場を新設した。
第3精密加工工場では,フロンテン工場(ドイツ・バイエルン州)で生産された超大型5軸加工マシニングセンタDMU 1000 SEを3台導入し,同社の工作機械に使用するベット・コラムなど大物鋳物部品の加工を行う。現在2台目設置が完了し,2024年5月より本格稼働している。2025年に導入予定の3台目には研削仕様を追加し,これまで他社製の専用機で行っていた研削工程の工程集約を自社製の機械で実現可能となる。また従来使用していた,他社製の大型5面加工機5台と大型研削盤4台の合計9台を,DMU 1000 SEを3台に置き換えることにより,工程間のワーク搬送や段取り替えの時間や加工時間が短縮される。また,機械台数の削減に伴う中間在庫や工場スペースの削減によって,GX(グリーン・トランスフォーメーション)につながる。
同社では,マシニング・トランスフォーメーション(MX)を推進しており,DX(デジタルトランスフォーメーション)を用いて工程集約,自動化を積極的に促進し,GXを実現する同拠点では,訪問ユーザーに具体的にMX導入について体感できるショールームの役割も担っている。(’24 6/12)