2024年4月10日

NTN,「H3ロケット」に軸受を供給

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NTNは,種子島宇宙センターより打ち上げられた「H3ロケット」試験機2号機にエンジン向けターボポンプ用軸受を全数供給している。

人工衛星などの搭載物とともにロケットが飛行するためには,液体水素と液体酸素を高圧で燃焼させ,大量のガスを噴射させる必要がある。ターボポンプは,内部のインペラ(羽根車)が高速回転することで,燃料の液体水素と酸化剤の液体酸素をエンジンの燃焼室に送り込む役割を果たしている。

インペラの回転を支持する軸受は,液体水素(-253℃)や液体酸素(-183℃)の極低温環境下においても,dmn値(軸受の回転性能を表す指標)にして約280万というジェット機にも匹敵するロケットの超高速回転を支えている。極低温中では油やグリースなどの一般的な潤滑剤は凍りついてしまうため,同社は,極低温中でも潤滑性能を発揮する独自の固体潤滑剤に加え,強化ガラス繊維による高強度な保持器を軸受に使用し,これらの過酷な環境に対応している。

H3ロケットのエンジンは,小型から大型までさまざまな大きさの人工衛星の打ち上げに対応するため,先行機の「H-II Aロケット」よりも推力が高められている。そのため,各部品には剛性の向上が求められており,H3ロケットのターボポンプ用軸受も,従来よりも大径化し,大きな予圧荷重を受けられる仕様としている。また,商業用国産基幹ロケット向けの軸受として業界で初めてセラミックを材質とした転動体(ボール)を適用した。軸受の大径化に伴い,軸受に使用されるボールの遠心力は強くなるが,金属製よりも軽量なセラミックボールを使用することで,軸受回転時のボールの遠心力を抑え,dmn値288万の高速回転を実現している。(’24 4/10)

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