三洋化成工業は,界面制御技術を活かして,ポリオレフィン不織布への透水性を高める親水基と,耐久性を高める疎水基の最適なバランスを見出し,ポリオレフィン不織布に塗布または含浸するだけで,持続的な親水性を付与できる耐久性親水化剤「ハイドロスルー PS-887」を開発した。
同製品は繊維への浸透性に優れ,少量でも均一に付着できるため,ポリオレフィン不織布の特長である柔軟性を損なわない。従来の親水化剤と比較して,透水を3回繰り返した後でもポリオレフィン不織布は高い親水性を維持しているため,衛生用品のトップシートに使用した場合,交換頻度を減らしても装着感を損なうことなく快適に使用できる。これにより,育児や介護を行う人の負担軽減が期待できるだけでなく,使用する衛生用品の数を減らせるため,経済的負担軽減や廃棄物量の低減にも貢献する。また,同製品は動物由来原料を使用しておらず,衛生用品のように肌に触れるものについて宗教上の理由で動物由来原料を好まないユーザー向けにも使用できる。(’24 2/21)