日本精工(NSK)は,電動射出成形機のハイサイクル化や薄肉成形に対応する高負荷駆動用ボールねじの高速・耐熱仕様「HTF-SRM型」を開発した。
世界の人口増加や新興国の生活水準向上に伴い,プラスチック製品の需要が増加傾向にある。SDGsやカーボンニュートラルへの取組みから,成形機の生産性向上とプラスチック材料の消費量削減を目的とした薄肉成形などが重要な課題となっている。
新開発のSRM(Smooth Return Metal Coupling)循環方式を採用し,構成部品を耐熱仕様とすることで,業界最高水準の高速性と耐熱性を実現。許容d・n値が20万,従来品の高速仕様に比べて40%向上。耐熱性は最高使用温度90℃,瞬間最高温度100℃で,従来品に対して20℃向上した。またリアルデジタルツインを活用した最適設計により,ボール循環による衝撃力の問題を解決。さらに金属製の循環部品の採用により,樹脂材料を使用した従来の高速仕様による高速性と耐熱性の限界を突破。シールなどの樹脂材料に耐熱素材を採用し,設計を改良することで耐熱性を実現した。
今後は2024年4月から受注を開始,電動射出成型機やサーボプレス機などグローバル市場へ展開し2026年度までに年間5億円の売上を目指す。
2023年11月28日(火)~12月2日(土)まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催中の「IPF Japan 2023 国際プラスチックフェア」で初公開している。(’23 11/29)