潤滑油協会が2023年7月10日,「2023年度潤滑油研究会」をオンラインで開催した。同研究会は,資源エネルギー庁の支援のもと,潤滑油の品質確保事業等の支援事業(補助事業)の一環として,潤滑油技術等に携わる人材を育成するために必要な潤滑油関連情報を提供することを目的に,OILの日である7月10日に毎年開催している。今年度も昨年度に引き続き,新型コロナウイルスの感染拡大の情勢に鑑みてオンラインでの開催となった。
当日は,潤滑油製造業近代化委員会委員長の和川 紀之 氏(三和化成工業)による開会の挨拶の後,佐藤 直也 氏(ENEOS)が「潤滑油事業におけるカーボンニュートラルへの取組について」のテーマで,カーボンニュートラルをめぐる社会情勢の中で同社のカーボンニュートラル基本計画と潤滑油CFPの算定方法,潤滑油製品のCarbon Reducing性能の付与やバイオマス基油,再生基油など低炭素基材の活用などのアプローチについて解説した。
また,山口 賢一 氏(トヨタ自動車)が「TRAMIの考えるカーボンニュートラルシナリオと現状―カーボンニュートラル時代における動力伝達技術の必要性―」のテーマで,TRAMI(自動車用動力伝達技術研究組合)が考える製造時や走行時のCO₂低減によるカーボンニュートラルシナリオ,電動化研究拡大により「超高回転(5万rpm超)電動駆動システムの研究」開始,それらを下支えする機械要素技術や潤滑油・トライボロジ技術への期待といった産学連携の取組みの重要性について紹介した。(’23 8/9)