三洋化成工業は,持続可能な原料調達の取り組みとして,「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」の認証(マスバランス方式)を取得した。マスバランス方式は製造過程で認証油と非認証油が混合されて流通する認証モデル。非認証油も含まれるが認証農園・搾油工場から供給された認証パーム油の数量は保証されている。
アブラヤシの果肉から得られるパーム油は,世界で最も多く生産・使用されている植物油脂であるが,大規模なアブラヤシ農園開発が行われた国では,環境破壊や農園での劣悪な労働環境による人権侵害などの深刻な問題が指摘されていた。RSPO認証は,これらの問題を解決し,生物多様性や森林保全に配慮した持続可能なパーム油の生産・利用を目指すために設けられた国際的な認証制度である。
同社は2013年にRSPOへ加入し,持続可能なパーム油由来原料調達のための準備を進めてきた。世界的に認証制度が広がり認証パーム油の調達ができるようになってきたため,本社,東京支社および国内の自社工場(名古屋工場,鹿島工場,京都工場,衣浦工場)においてマスバランス方式でRSPO認証を取得。特に香粧品分野での認証パーム油使用の必要性が増してきていることから,同社の一部の香粧品用界面活性剤について2023年4月からRSPO認証パーム油由来原料を調達・使用し,RSPO認証表示を開始した。今後RSPO認証パーム油の利用を拡大し,持続可能な原料の調達と供給体制の整備を推進していく。(’23 4/19)