出光興産とDICは,新たなバイオマスプラスチックのサプライチェーンを構築し,バイオマスポリスチレン(以下,バイオマスPS)の製造に向けた検討開始に合意した。バイオマスPSの製造は,DIC四日市工場において2023年後半までに開始予定となっている。
バイオマスナフサは,再生可能資源である植物を由来とする原材料などから製造されることから,石油由来のナフサと比べてCO₂排出量を抑制することが可能。出光興産が製造するバイオマスナフサ由来のスチレンモノマー(以下,バイオマスSM)は,持続可能な製品であることを証明する国際認証「ISCC PLUS認証」を取得しており,出光興産は,同認証に基づくマスバランス方式を採用した製品を供給する。DICは,2023年後半までに「ISCC PLUS認証」を取得予定であり,バイオマスSMを原料としたポリスチレンを製造する予定となっている。
マスバランス方式は,原料から製品への加工・流通工程において,ある特性を持った原料(例:バイオマス由来原料)がそうでない原料(例:石油由来原料)と混合される場合に,その特性を持った原料の投入量に応じて,製品の一部に対してその特性の割り当てを行う手法。
両社は今回新たに構築するサプライチェーンを通して,プラスチック産業のCO₂排出量の削減目標に貢献する基本方針に合意している。今回の連携により,今後も顧客やサプライヤーとの連携を強化し,サプライチェーン全体でカーボンニュートラルと循環型社会の実現を目指す。(’23 4/19)