潤滑油診断やトライボロジーを活用した状態監視を推進するトライボテックスは,経済産業省,国土交通省,厚生労働省,文部科学省が連携し顕彰する「モノづくり日本大賞」で経済産業大臣賞・優秀賞を受賞した。
ものづくり日本大賞は,製造・生産現場の中核を担っている中堅人材や伝統的・文化的な「技」を支えてきた熟練人材,今後を担う若年人材など,「ものづくり」に携わっている各世代の人材の中から特に優秀と認められる人材を顕彰するもの。
今回の受賞は,「ICTに対応した世界初の連続監視可能な発電機等のオイル状態監視測定システム」が評価対象となった。受賞したシステムは,レーザー光の特性を利用して気泡と粒子を識別する新たな原理で,気泡の影響を受けずに粒子のみの連続計測を実現,設備に取り付けた状態で異常の早期発見が可能となった。開発に携わった川畑 雅彦 氏,井原 聡 氏,類家 淳司 氏,安部田 泰 氏,山田 翼 氏が受賞した。
同システムは,これまでのように採油して汚染度を分析することが不要となるのが特徴。オンライン使用で状態監視することが可能になるため,センサーを多数の設備機械に取り付けることで同時多元遠方監視(DX化)が可能となり,設備保守の必要性を現場で即座に判断でき,保守の順番をデータに基づいて計画出来るなど保全の信頼性向上が期待できる。また状態監視する台数が少ない場合は,センサー機能に付随するWi-Fiによりスマートフォンで計測データを受診し,オフィス等に戻ってから潤滑油状態をまとめるなどCBMのDX化にも期待できると紹介している。(’23 2/8)