NTNは,世界最高水準の伝達効率をもつ高効率固定式等速ジョイント「CFJ」を自動車メーカ数社より量産受注した。世界最小・最軽量の固定式等速ジョイント「EBJ」の基本特性を維持しつつ,トルク損失率を50%以上低減した商品となる。
同製品は,隣り合うトラック(転動溝)を互いに傾斜させた同社独自の「スフェリカル・クロスグルーブ構造」により隣り合うボールがケージを押す力の向きが交互となることで力の片寄りを抑え,トルク損失率を低減する。また,その独自構造により取付け角度が大きくなっても,トルク損失率の増加を大幅に抑えることができる。さらに,EVやHEVでは,車が減速する時のエネルギーを利用してモータを回し,電力として蓄える回生ブレーキシステムが搭載されているが,同製品はその独自構造により走行時と逆方向の回生トルクが入力される際のトルク損失率も低減するため,回生エネルギーによる発電効率も向上させることができる。
なお,EBJからCFJへの置き換えによる燃費の改善効果をJAPIA LCI算出ガイドラインに基づき内燃機関車両で試算した場合,燃費は0.62%の改善,CO₂排出量は0.96g/kmの削減効果が見込まれ,CO₂排出量の規制が厳格化する中,こうした高い環境性能についても自動車メーカなどから高い評価を得ている。(’22 11/22)