ドイツの特殊化学品メーカー,ランクセスは,ポリアミド6を使用した電気自動車用プラスチックの用途を拡大したと発表した。高性能プラスチックであるポリアミド6とポリアミド66は,類似した特性を持ち,互いに競合することもあるが,ポリアミド66の厳しい価格情勢と一時的な入手制限のため,ポリアミド6が代替として用いられており,これまでポリアミド66から作られてきた部品の新たな開発についても,ポリアミド6への代替が進んでいる。
ポリアミド6の代替の一例として,ドイツの自動車メーカーが製造する小型電気自動車に使用されている車載充電器用カバーの製造が挙げられる。これは,50%重量のガラス短繊維で高度に強化された,同社の「デュレタン®(Durethan®)BKV50H3.0」で構成されている。
この用途拡大により,ポリアミド6コンパウンドが必ずしも加水分解安定化されていなくても,電気自動車のグリコール-水冷却剤による冷却用途に使用できることが示された。同タイプのポリアミド6を使用した製品は,電気自動車向けカバーなどの熱管理コンポーネントの大量生産において一般的になると想定されており,特に,冷却システムの流体コネクタや制御ユニットなどの用途が有力であると同社は考えている。(’22 9/7)