NTNは,EV(電気自動車)の駆動システムであるeアクスルやHEV(ハイブリッド車)のモータおよびトランスミッション向け高速深溝玉軸受のオイル潤滑下における高速回転dmn値220万を達成した。
同社では,2015年に「グリース潤滑高速深溝玉軸受」を開発。同商品は,保持器材料の配合を見直して高強度化を図るとともに,保持器と転動体が直接触れるポケット部の形状を工夫することで遠心力による変形を最小化し,高速回転を実現した。
さらなるモータの高速化に向け,軸受の発熱と潤滑条件による抜熱の熱収支バランスを最適化する供給油量の計算手法を確立し,さらに,遠心力による変形を抑制するため保持器の形状を見直すとともに,転動体および各軌道輪の回転精度の確保など内部諸元を最適化することで,深溝玉軸受でdmn値220万の高速回転を達成した。
これら発熱と抜熱を適切に管理する手法を確立したことで,EV・HEVの開発・普及が進む中,各社車両のニーズに対して最適な高速回転性能を有する軸受仕様の提案が可能となる。(’22 6/1)