今回のテーマは「100年に1度の大変革期に対応するためのトライボロジー材料の将来展望~Part1 高分子材料~」とし,基調講演のほかに「エラストマー」,「樹脂材料」の2つのセッションで構成され,トライボロジーに関連する研究機関や自動車関連企業のエンジニアが参加した。
実行委員長の杉原 功一 氏(大豊工業 代表取締役社長)はオープニングスピーチで,「自動車のトライボロジーを通してアカデミアに貢献する」という趣旨に基づき,トライボロジー研究の活性化やシンポジウムを継続することで産学連携の強化を図ることを目的に財団の活動の一環として2016年から始まり今回5回目の開催となった」と挨拶した。
またTTRF理事の木村 好次 氏からは,本シンポジウムの目的と意義を「トライボロジーの研究を進める」「自動車業界の技術に貢献出来る情報の交換」「産学の協力を進める」ことと紹介した。また,「トライボロジーには3つのツール,『ルブリカンツ』『デザイン』『マテリアル』がある。この材料技術,設計技術,潤滑剤技術を今後のシンポジウムのテーマにして行きたい。今後は『100年に1度の自動車業界の変革期を生き残るためのトライボ材料についてポリマー剤,表面処理,金属』について計画しているが,今回はその中でポリマー剤について議論したい」と話した。
当日の講演内容は以下のとおり。
【基調講演】
1) How Tribology Contributes To a Zero Emissions Future・・・ Prabjot Nanua (General Motors Company)
2) Development of Cellulose NanoFiber(CNF) Composite Materials and Their Applications ・・・Kenji Aoki (Shizuoka University)
【セッション1】Elastomer
1) Contact and Friction of Elastomers – Deformability & Viscoelasticity in Tribology・・・ Ken Nakano (Yokohama National University)
2) Recent Technologies to Reduce Automobile Tire/Road Interaction Noise and Vibration ・・・Atsushi Kitahara ( Bridgestone Corporation )
【セッション2】Resin
3) Research Trends in the Tribology of Plastics and an Approach of Wear Property Evaluation in Service Life ・・・Yoshiro Iwai (University of Fukui)
4) Polyimide Precision Parts & Solutions – How to Enhance Performance for Demanding Wear and Friction Applications ・・・Ruth Jackowiak (DuPont)
5) Phenolic Resin Composite Material for Applying to Highly Loaded Sliding Parts ・・・Yoshinori Takeichi (Toyohashi University of Technolgy)
○問い合わせ先
TTRF-TAIHO International Symposium on Automotive Tribology 2022実行委員会
E-mail info@ttrf.org
URL http://www.ttrf.org (’22 5/11)