出光興産は,次世代電池として有望な全固体リチウムイオン電池向け固体電解質の商業生産に向けた実証設備を,同社の主力事業所の一つである千葉事業所内に建設し,稼働を開始した。
近年,世界各国において厳しい環境規制や脱炭素社会の実現に向けた目標が掲げられ,EVや定置用電池等の市場が急拡大している。特に全固体リチウムイオン電池はEV向け等に早期の実用化が求められており,そのキーマテリアルである固体電解質に対するニーズは近年益々高まっている。
同社は石油化学事業で培った高純度の硫化リチウム製造法を確立しており,さらに硫化リチウムを原料とする硫化物系固体電解質について数多くの特許を保有する。これまで蓄積してきた技術を実用化し,原料からの一貫生産と安定供給体制の構築を目指すべく,固体電解質の商業生産に向けた実証設備を建設し,稼働を開始した。今後は固体電解質の量産プロセス実証およびさらなる性能向上等を図り早期事業化を推進していく。(’21 12/15)