ドイツの特殊化学品メーカー,ランクセスは,ドイツのマンハイム拠点において淡色硫黄系極圧添加剤の製造能力を数千t増強する。投資額は数千万ユーロを予定し,2023年始めには稼働を開始する予定となっている。
同社は,「アディティン®(Additin®)EP」というブランド名で同添加剤を販売している。主に金属加工潤滑剤に使用され,金属表面の摩耗を低減し,高圧などの過酷な条件下でも金属表面の凝着を防止する。また,再生可能原料をもとに製造される同添加剤は,生態毒性学的優位性を有するため,欧州化学物質庁(ECHA)において高懸念物質(SVHC)としてリストに分類されている中鎖塩素化パラフィンのような化学物質の代替として浸透しつつあり,今回の同社による設備拡張は,市場における需要増に応じたものとなる。(’21 9/22)