NTNは,前輪駆動車ベースの4WD車の従駆動輪(サブアクスル)向けに世界最高水準の小型・軽量化を実現した「サブアクスル・リヤ用小型軽量等速ジョイント」を開発した。
等速ジョイント(CVJ)は,エンジンまたはモータの動力の大きさ(負荷容量)やタイヤの転舵のための作動角によってサイズを使い分けている。リヤ用CVJには,転舵による大きな作動角は不要となるため,リヤ用CVJに必要な作動角に合わせた専用設計により小型・軽量化した商品として,同社は,2015年にリヤ側が主駆動輪となる後輪駆動車や後輪駆動車ベースの4WD車向けに「リヤ用軽量ドライブシャフト」を開発し,市場に展開してきた。
今回開発した「サブアクスル・リヤ用小型軽量等速ジョイント」は,「リヤ用軽量ドライブシャフト」のコンセプトを応用し,前輪駆動車ベースの4WD車のリヤ向けに改良した商品。従駆動輪となるリヤに求められる負荷容量はより小さくなるため,従来品から大幅に小型・軽量化を図った。タイヤ側に配置される固定式CVJとデファレンシャル側に配置されるしゅう動式CVJのそれぞれについて,最大作動角の見直しや部品の最適設計などによる部品の薄肉化・小径化により,必要な強度を維持しながらも,小型・軽量化を実現した。また,同社の試算では,軽量効果を車両燃費に換算した場合,約0.02%の燃費改善効果が見られた。(’21 7/14)