出光興産は,潤滑剤の耐摩耗性や長期安定性などの性能向上を図り,洋上風力発電の風車の軸受や歯車で使用する潤滑剤の平均交換頻度を現状の5年から15年へと3倍に延長することで機械の長寿命化を実現する新技術を2022年までの3年間で開発すると発表した。
この事業は同社が提案する「風力発電機の長寿命化に向けたマルチスケールトライボ解析・実験による最適潤滑剤設計」が,NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「風力発電等技術研究開発/風力発電高度実用化研究開発/風車運用・維持管理技術高度化研究開発」事業の助成事業として採択されたもの。日本での洋上風力発電導入拡大に向け,国内風車のダウンタイムや運転維持コストの低減など発電コスト低減を目指す。
同社が潤滑剤開発で培ってきた基材最適化技術・評価方法をベースに,兵庫県立大学のシミュレーション技術やマテリアルズインフォマティクス技術を駆使したスーパーコンピューターによる大規模実証計算を利用し,データに基づく理論的根拠による最適な基材の分子構造や潤滑剤の組成を予測する。また兵庫県立大学と岡山大学で開発した,摩擦・摩耗の低減に寄与するトライボナノマテリアル添加剤など複数の新材料も基材候補としている。
兵庫県立大学と岡山大学と協働することで洋上風車の軸受や歯車のメンテナンスフリー化に寄与する潤滑剤の最適な分子構造の創出と実証を行う。(’20 10/21)
「第22回評価・診断に関するシンポジウム」が開催される
2024年12月2日(月)~3日(火)の2日間,日本機械学会 機械力学・計測制御部門は,日本設備管理学会,日本トライボロジー学会との共催で「第22回評価・診断に関するシンポジウム」(組織委員長:川合 忠雄 氏(大阪公立大学),実行委員長:金森 啓祐 氏(三井化学))をアプラたかいし(大阪府高石市)で開催した。