ジェイテクトは,鉄鋼設備用軸受の長寿命,高耐久性を実現した製品「JHS®(ジェイテクト・ハイパー・ストロング)軸受」のシリーズ化を進めており,その第3弾となる,連続鋳造設備用長寿命自動調心ころ軸受「JHS® 330」を開発した。
連続鋳造設備は,溶鋼を凝固させて半製品である鋳片に鋳造する設備で,自動調心ころ軸受が多く使用されるが,重荷重・極低速回転となる。これらの過酷な使用条件は軸受の軌道面に顕著な二山状の摩耗を生じさせ,剥離や割れに繋がる。また製造する鋳片は非常に高温なことから,凝固させるため多量の水を使用するが,軸受内部への水気の侵入も軸受に大きなダメージを与える。
同製品は,材料の合金成分とミクロ組織構成の最適化により耐摩耗性が従来軸受比2倍となった。また新設計のリップ形状のオイルシールは密封性を向上させ,グリース給脂圧調整機構を持たせた構造となっている。さらにニーズが高まっているオイルエア潤滑へも対応している。
同社は2021年1月から量産を開始する予定で,国内外の製鉄メーカーをターゲットに展開していくとしている。(’20 3/25)